近鉄額田(ぬかた)駅から生駒山を200メートル近く登ると重厚な多宝塔と本殿が見える。
生駒中腹の「重願寺」だ。
閑静なこの場所にくると、近くの谷間から「ホーホケキョ」
数年前、桜見物は生駒中腹の「重願寺」に決めていた。
しかし、数年前桜の樹に虫が付き、お寺の桜はすべて切り落とされている。
今は足元の切り株がむなしい。
額田駅前の小さなスーパーで手に入れたアテと安酒片手に多宝塔の壇上に失敬する。
一面の花を愛でながらの一杯は格別だったなぁ・・。
今は目の前に広がる大阪平野の大パノラマ。
1匹のハエがたかる。
下界は害虫だが、寺に入ればひとつの命。
「食え喰え、お連れじゃで」と・・・我、良寛気分。
重願寺は本殿、多宝塔、庭園、墓地が立体的に配置されており(山の中腹だから)なんとも居心地がいい配置である
その庭園端に石塚がある
“ いくちよもまどかれ はなのかつらかげ ” 二世 文枝
石塚裏に回る
なんとそこには噺家のそうそうたる顔ぶれが刻まれている。
「桂塚賛成者碑」とのこと。
<桂塚>
明治時代西成区天下茶屋にもとの桂塚があった。この塚は自然石に漢文で落語家桂一門の流れを書いた塚で、昭和15、16年くらいまであったのは確かでその後倒れて埋まってしまったのか今も行方不明。重願寺の碑は本来の塚がなくなったので「建てよう」ということに賛成した上方と東京の落語家の名前が碑の裏に刻まれている。平成9年5月12日、3代目故桂米之助、桂文福さんが5代目文枝さんを連れて紫綬褒賞受賞記念、落語家生活50年記念に参詔された。(重願寺H.Pより)
この石碑上にはお寺の白い飼い犬がいた。
いつも犬小屋周りを右回りで回って参拝客を出迎える。
白い犬も今はいない。