現代の名工(※)三田村薫さん。
大阪は中央区のはんこ屋さん
三田村印章店の主(あるじ)だ。
主といっても単に出来あいのはんこを販売するのではない、印章( 多くの方が印鑑と呼んでいるものは、本当は印章という名称)技術において大変なお方。
(※)現代の名工:卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称
詳しくは『オオサカジン』社長インタビュー記事を参照ください。
『オオサカジン』記事
https://shacho.osakazine.net/e724473.html
先日、三田村さんの初個展
「はんこと大阪の文学」のご案内を頂いたので、見に行くことにする。
個展当日までにも様々なメディアで取り上げられており、現在の「脱はんこ」の潮流の中、如何にはんこの存在意義を問うているものだと感じた。
三田村さんが作るはんこは独自の書体だ。
その印影は女性的でもあり、繊細にして、広大。
印影の丸く仕切られた狭い空間を、文字の1本1本が縦横無尽に触手を伸ばしている。
ある方はそれを
「宇宙に変える物語性」と表現している。
言い得て妙。
三田村さんの彫るはんこは、柔らかなしぐさながらしっかりと手で押す様子を表す「捺」から、ブランド名を
「捺 捺 捺(ななな)」という。
「捺 捺 捺」の美しさはTシャツにも映える。
さて、個展へ。
西区靭公園南の小さな展示会場。
はんこの「捺 捺 捺」に実によく合った会場だ
階段を上がり2階へ。
お店でもお馴染みの仲良しご夫婦がいらっしゃった。
個展のコンセプトは
大阪文学×「捺 捺 捺」
大阪文学の代表格、織田作之助の「夫婦善哉」、谷崎潤一郎の「細雪」などの8作品の小説に登場する店名、地名、人名を「捺 捺 捺」で表現した。
三田村さんに聞けばひとつの描印(はんこの文字デザイン)をつくるのは1~2時間ほどだと。
文字のハネも一般のフォントのような決まりもなく、全体のバランス、間などで作り出すとのこと。
まさにアートの世界と感じた。
個展の会期は終了しており、「捺 捺 捺」の“宇宙”を下記ホームページでご覧いただきたい。
https://mitamura-inshouten.com/
三田村印章店
〒540-0037 大阪市中央区内平野町1-1-6-103
営業時間 9:00~19:00
定休日 日曜、祝日
電話 06‐6943-8003
FAX 06‐6943-8002
Mail info@mitamura-inshouten.com